2011/05/09

SCVMM 2012 Beta で Server App-V も単体で試せます

Windows Azure Platform のパブリック クラウドや System Center Virtual Machine Manager 2012 (現在 Beta) ベースのプライベート クラウドで将来サポートされることになる Microsoft Server Application Virtualization (Server App-V) ですが、昨年末の Windows Azure 向けのクローズド CTP に続いて、Server App-V Team Blog がスタートするなど、徐々に情報が増えてきました。

ところで、Server App-V を評価してみたいという方、2011 年 3 月にリリースされた System Center Virtual Machine Manager (SCVMM) 2012 Beta に Server App-V CTP が同梱されていることをご存じでしょうか。SCVMM 2012 Beta や Windows Azure がからんでくると、複雑になって、なかなかとっつき難いですが、SCVMM 2012 Beta に含まれる Server App-V は単体でも評価できます (動きます)。


Server App-V の Sequencer (シーケンサー) およびクライアント エージェントのインストーラーは、SCVMM 2012 のライブラリ共有 (MSSCVMMLibrary\ApplicationFrameworks) の中にあります。このライブラリ リソースは、C:\Program Files\Microsoft System Center Virtual Machine Manager 2012\SAV\x64 および x86) から作成されるようです。

アプリケーションのシーケンスの方法と、展開の方法については、C:\Program Files\Microsoft System Center Virtual Machine Manager 2012\SAV\SAV_CTP_Jan_2011.pdf に説明されています。それほど難しくはありません。App-V for Desktop Client や App-V for RDS の経験があれば、Server App-V のほうが簡単だと分かるでしょう。

というわけで、Apache HTTP Server をシーケンスしてパッケージ化し、まっさらな Windows Server 2008 R2 環境に展開してみました。SCVMM 2012 Beta の環境は、既定のライブラリ共有内のファイルを使用するだけで、他には使用しません。今回は、評価用の VHD イメージを使用しました。

  1. まず、まっさらな Windows Server 2008 R2 の仮想マシンを準備して、インストール直後の状態でスナップショットを作成しておきます。
  2. 仮想マシンのゲスト OS にログオンして、\\SCVMMサーバー名\MSSCVMMLibrary\ApplicationFrameworks\SAV_x64_en-US_4.7.11.1127.cr\InstallSAVSequencer.cmd または SeqSetup.exe を実行して、Server App-V シーケンサーをインストールします。ちなみに、日本語環境ではちゃんとローカライズされます。
  3. Server App-V Sequencer を起動し、「新しい仮想アプリケーション パッケージの作成」をクリックして、ウィザードに従って操作します。この手順は、App-V Sequencer for Desktop Client や for RDS とほぼ同様。App-V 4.6 SP1 と同様に、Q ドライブは勝手に用意してくれているので、Apache HTTP Server の Win32 バイナリーをダウンロードしてインストーラーとして指定し、Q ドライブ上のパスを指定してインストールするだけです。
  4. インストールが完了したら、監視を終了し、検出されたプログラムの一覧から「Start」をクリックして、Apache HTTP Server のサービスを開始し、Web ブラウザーで「It works!」と表示されるのを確認します。

  5. ウィザードを進めると、システムに加えられた情報が収集され、パッケージが作成されます。App-V Sequencer for Desktop Client や for RDS とは異なり、展開の構成をいじる必要はありません。パッケージ (.sprj) を適当な共有フォルダーに保存すれば完了です。

  6. 続いて、スナップショットを適用し、仮想マシンを元の状態に戻します。こんどは、同じ仮想マシンをクライアントとして使用することにします。もう、Sequencer のことは忘れてください。
  7. 仮想マシンのゲスト OS にログオンして、\\SCVMMサーバー名\MSSCVMMLibrary\ApplicationFrameworks\SAV_x64_en-US_4.7.11.1127.cr\InstallSAV.cmd または AgentSetup.exe を実行して、Server App-V エージェントをインストールします。
  8. 続いて、\\SCVMMサーバー名\MSSCVMMLibrary\ApplicationFrameworks\SAV_x64_en-US_4.7.11.1127.cr\sav_cmdlets.msi を実行して、Server App-V エージェントの PowerShell 2.0 向けコマンドレットをインストールします。Server App-V のパッケージは、この PowerShell コマンドレットを使用して展開することになります。
  9. 手順 5 で作成した仮想アプリケーションのパッケージを、フォルダーごと仮想マシンのローカル ディスクにコピーします (共有フォルダー上に配置したままでも大丈夫かも)。
  10. PowerShell ウィンドウを開き、次のコマンドラインを実行して、仮想アプリケーションを展開します。このように、アプリケーションの登録方法は、App-V Sequencer for Desktop Client や for RDS とはまったく異なります。

    PS> Set-ExecutionPolicy Remotesigned
    PS> Import-Module Microsoft.ApplicationVirtualization
    PS> Add-AppvPackage –Name 仮想アプリケーション名 –Manifest パス\仮想アプリケーション名_manifest.xml –SFT パス\仮想アプリケーション名.sft –Configuration パス\仮想アプリケーション名\deploymentconfig.xml –ComputerName コンピューター名
    PS> Start-AppvPackage –Name 仮想アプリケーション名 –ComputerName コンピューター名

  11. 管理ツールの「サービス」を開くと、Apache のサービスが稼働していることを確認できます。

SCVMM 2012 では、アプリケーションを含む仮想マシンをプライベート クラウド上に自動展開する方法の 1 つとして、Server App-V の仮想アプリケーション パッケージを使用できるということのようです。

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